0.62
「口座を開くこと自体は別に問題はないのじゃない。半年、飲まず食わずの覚悟があればね。ただ、ほとんどつぶれていくみたいだけど」という、励ましにもならない、貴重なサゼッションをいただいたり、ノマーが逆転のグランドスラムをかっ飛ばしたり、まあまあ、良い日ではあった。
評論家(?)の呉智英氏が、自身の父のことを取り上げ、二日ほど前に朝日に載せた短文の中で、「家族をもちながら自分のことしか考えない知的なエゴイストで、そこを私は尊敬していた」といった趣旨のことを書いていた。普段の言説はともかく、この一文に限っては、正しいように思う。
エゴイステックという言い方が悪ければ、はやりの自己実現でもいい。一度きりの生において、何らかの徴を刻みたい(絶対評価ではなく相対評価が常で、なおかつそれをこそ欲するのがまた悲しい)と思うのは当然ではないのか。
といいながら、それでは自己決定という四文字から遠く隔てられた存在はどう考えればいいのか。そこに、思考はいつも還っていくのだけれど、結局は辿り着かないとしても、その答えを探して何かを(出版という仕事に関連して)、紡ぎ出していくしかない。たとえ、0.62でも。
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